睡眠不足の方へ「不眠症で入院する」ときの「期間や費用」を徹底解説

不眠症 入院

不眠症が続く場合、入院して専門的な検査を受けることが必要になることがあります。

この記事では、不眠症に関する検査入院について、具体的な流れや費用、入院が適しているケースなどを詳しく解説します。不眠症の原因を特定し、最適な治療を受けるためには、検査入院が重要なステップとなることがあります。

不眠症でお悩みの方や、入院を検討されている方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。

目次

不眠症とは?

厚生労働省によると、「一般成人の30~40%がなんらかの不眠症状を有している」とされ、特に女性に多い傾向があると発表されています。

不眠症についての理解を深めることは、適切な対策を講じるための第一歩です。ここでは、不眠症の定義と種類、さらに生活習慣が原因となる不眠症について詳しく見ていきます。

  • 不眠症の定義
  • 不眠症の種類
  • 生活習慣が原因となる不眠症

これらの項目を理解することで、不眠症の原因や症状、そして改善策についての基礎知識を得ることができます。

出典:不眠症|e-ヘルスネット

不眠症の定義

不眠症は、睡眠の質や量に問題があり、日常生活に支障をきたす状態を指します。具体的には、次のような症状が1ヶ月以上続く場合に、不眠症と診断されることがあります。

寝つきが悪い

夜、布団に入ってから眠りに落ちるまでに時間がかかることが頻繁に起こる場合です。通常、寝つくまでに30分以上かかると入眠障害とされます。

途中で目が覚めてしまう

夜中に何度も目が覚め、その後なかなか再び眠れない状態を指します。この中途覚醒が繰り返されることで、睡眠の質が低下し、朝起きたときに疲労感が残ることが多くなります。

朝早く目が覚めてしまう

自分の希望する起床時間よりもかなり早く目が覚めてしまい、その後再び眠れない状態です。これにより、十分な睡眠時間を確保できず、日中に疲労感や集中力の低下が見られることがあります。

睡眠が浅く、熟睡できない

一晩中浅い眠りが続き、睡眠が断片的になってしまう状態です。結果として、眠っていても休んだ感じがせず、起床後もすぐに疲れを感じることがあります。

昼間に眠気や倦怠感がある

夜間の睡眠が十分でないため、日中に強い眠気や全身の倦怠感が現れることがあります。これが続くと、仕事や学業、日常生活のパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。

これらの症状が持続的に現れることで、日常生活の質が著しく低下し、精神的・肉体的な健康にも悪影響を及ぼします。そのため、不眠症の兆候を見逃さず、早期に適切な対策を講じることが重要です。

不眠症の種類

不眠症には、いくつかの異なるタイプが存在し、それぞれが異なる症状を引き起こします。ここでは、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒といった代表的な不眠症の種類について詳しく説明します。

  • 入眠障害
  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 熟睡障害

これらの各種類について理解を深めることで、自身の症状に対する適切な対処法を見つけやすくなります。

入眠障害

寝つきが悪く、眠りに入るまでに時間がかかる状態です。多くの場合、布団に入ってから30分以上眠れないことが頻繁に起こります。入眠障害は、特にストレスや不安を感じているときに現れやすく、寝ようとするほど緊張してしまう「入眠恐怖」と呼ばれる状態になることもあります。

中途覚醒

途中で何度も目が覚め、その後再び眠りにつくのが難しくなる状態です。この状態は、加齢や睡眠環境の問題・頻尿や呼吸の問題と関連していることが多い傾向にあります。中途覚醒が続くと、睡眠の質が大きく低下し、疲労感が蓄積しやすくなるため、注意が必要です。

早朝覚醒

朝早く目が覚めてしまい、その後眠れない状態です。これにより、十分な睡眠が取れず、日中の活動に支障をきたすことがあります。特に、うつ病との関連が深く、日中の気分低下や意欲の減退につながることがあります。季節性の影響を受けるケースもあり、日照時間が短くなる冬季には症状が悪化することがあります。

熟睡障害

眠りが浅く、十分に深い眠りに入れない状態です。この状態では、睡眠時間が足りているように見えても、十分な休息感が得られず疲労感や集中力の低下を感じることがあります。熟睡障害は、ストレスや生活習慣の乱れに加え、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害とも関連しています。

生活習慣が原因となる不眠症

生活習慣は、不眠症に大きく影響を与える要因のひとつです。次のような生活習慣が、不眠症の主な原因としてあげられます。

  • 不規則な睡眠時間
  • 昼寝のしすぎ
  • カフェインの過剰摂取
  • アルコールの摂取
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 食事

不規則な睡眠や昼寝のしすぎは、体内時計を乱し、寝つきを悪くする原因となります。毎日同じ時間に寝起きすることで、不眠症の予防に繋がります。また、長時間の昼寝は夜の睡眠に悪影響を与えるため、避けるようにしましょう。

カフェインの過剰摂取やアルコールの摂取は、睡眠の質を低下させる原因となります。特に、午後や夕方以降のカフェイン摂取は寝つきを妨げる傾向があります。また、アルコールは一時的に眠気を誘発しますが、深い睡眠を阻害することが作用が特徴です。さらに、喫煙によるニコチンの覚醒作用も、睡眠を浅くする原因となります。

運動不足もまた、質の良い睡眠を妨げる要因となります。定期的な運動は体を疲労させ、睡眠の質を向上させます。ただし、就寝直前の激しい運動は逆効果になるため注意が必要です。

さらに、寝る前に大量の食事を摂ることは、消化不良を引き起こし、睡眠を妨げる原因となります。特に脂っこい食事や刺激の強い食べ物は胃腸に負担をかけるため、夕食は就寝の2~3時間前に済ませることが理想的です。

このように、生活習慣を見直すことで、不眠症の予防と改善に大きな効果が期待できます。

入院を要する不眠症の診断方法

不眠症を適切に診断するためには、専門的な検査が必要です。ここでは、問診から始まり、睡眠ポリグラフ検査やMSLT(睡眠潜時反復検査)といった具体的な診断方法について詳しく見ていきます。

  • 問診と診断の流れ
  • 睡眠ポリグラフ検査
  • MSLT(睡眠潜時反復検査)

これらの診断方法を理解することで、医療機関での診察を受ける際にスムーズに対応することができます。

問診と診断の流れ

医師による問診では、患者の睡眠パターンや生活習慣が詳しく確認され、診断に必要な情報が集められます。次のポイントに基づいて、患者の状況が評価されます。

  • 睡眠時間
  • 寝つきの状態
  • 睡眠中の覚醒
  • 早朝覚醒
  • 昼間の眠気
  • 睡眠に関する悩み
  • 生活習慣
  • ストレス
  • 精神的な状態
  • 既往歴
  • 服用している薬

これらの情報をもとに、医師は患者の睡眠の質や日常生活への影響を総合的に評価し、適切な診断を行います。

睡眠ポリグラフ検査

睡眠ポリグラフ検査(ポリソムノグラフィー・PSG)は、睡眠障害の診断や治療のために行われる検査です。

この検査は、睡眠中の身体のさまざまな生理的状態をモニターし、記録することで、睡眠の質や障害の有無を詳しく評価します。検査の対象となるのは、主に次のような項目です。

  1. 脳波(EEG)
  2. 眼球運動(EOG)
  3. 筋電図(EMG
  4. 心電図(ECG)
  5. 呼吸
  6. 酸素飽和度(SpO2)

この検査は通常、病院や専門の睡眠センターで行われ、患者は一晩中、測定装置を装着して眠ります。検査結果に基づき、医師は不眠症や無呼吸症候群などの睡眠障害を診断するのです。

MSLT(睡眠潜時反復検査)

MSLT(Multiple Sleep Latency Test・睡眠潜時反復検査)とは、日中の眠気の程度を評価するために行われる検査です。

この検査では、患者がどれだけ早く眠りに入るかを測定します。具体的には、4時間ごとに20分間の仮眠を5回行い、その際の入眠までの時間(睡眠潜時)を記録します。短い睡眠潜時が繰り返される場合は、過度の眠気があると評価され、特定の睡眠障害の診断に繋がります。

MSLTは、睡眠障害の性質を明確にするために重要な役割を果たす検査です。

不眠症検査入院の準備と必要事項

不眠症の詳細な診断には、検査入院が必要になる場合があります。ここでは、入院時に必要な持ち物や入院の流れ、検査入院中のシャワーや食事のタイミングなどについて説明します。

  • 入院時に必要な持ち物
  • 入院の流れ
  • シャワーや食事の時間

これらの情報を事前に把握しておくことで、入院当日に慌てずに対応することができます。

入院時に必要な持ち物

検査入院の際には、以下の持ち物はあらかじめ用意しておくようにしましょう。入院中の快適さが向上し、検査に集中することができます。

持ち物説明
寝具類パジャマ・タオル・バスタオル・スリッパなど
洗面用具歯ブラシ・歯磨き粉・洗顔料・石鹸・シャンプーなど
衣類下着・検査や外出時に着る服
普段服用している薬
リラックスアイテム携帯電話・充電器・本・雑誌・音楽プレーヤー

これらの持ち物を事前に準備し、快適でストレスの少ない入院生活を送りましょう。

入院の流れ

入院当日の流れについては、次のステップで進みます。

STEP
受付手続き

病院に到着後、まず受付で必要な手続きを行います。必要書類の確認や保険証の提示を行います。

STEP
病室への案内

手続きが完了すると、病室に案内され、入院に関する説明を受けます。

STEP
医師による説明

病室にて医師から検査や治療に関する詳細な説明が行われます。検査内容や注意点について確認します。

STEP
検査の実施

予定された検査が行われます。検査内容によってはリラックスできるよう準備が整えられます。

STEP
検査結果の説明

検査終了後、医師が検査結果を説明し、今後の治療方針について相談します。

STEP
退院手続き

最後に退院の手続きを行い、処方された薬や今後の通院について説明を受けます。

入院時にはこのような手順を踏むのが一般的です。入院に対する不安や緊張は睡眠の質にも影響を与えるため、事前に医師に確認しておくと安心できるでしょう。

シャワーや食事の時間

検査入院中のシャワーや食事のタイミングについては、施設ごとに異なる場合があります。スケジュールは医療施設が決めるため、入院前に必ず確認しましょう。

多くの施設では、検査の前後でシャワーを利用できる時間が限られているため、あらかじめ予定を立てておくと良いでしょう。食事の時間も、検査内容によっては通常の時間と異なる場合があります。

食事に関する注意事項も含め、事前に施設からの案内をしっかり確認しておくことが重要です。

不眠症検査入院の費用と期間

検査入院には費用がかかりますが、その内訳や保険適用の範囲を知っておくことは重要です。また、費用を抑えるためのポイントもいくつかあります。

  • 費用の内訳
  • 費用を抑えるポイント
  • 入院期間

これらの情報を理解しておくことで、検査入院にかかる経済的負担を軽減することができます。

費用の内訳

検査入院の総額は、医療機関や受ける検査の種類によって異なりますが、一般的には5万円~10万円程度が相場です。これは、入院費や食事代・検査代などが含まれています。検査入院にかかる費用の内訳は次のとおりです。

費用項目内容相場保険適用
入院費病室の使用料や看護師のサポート費用10,000円~20,000円/泊
食事代入院中に提供される食事の費用2,000円~3,000円/日
検査代実施される検査の費用(例: 睡眠ポリグラフ検査)20,000円~50,000円/回
薬代処方される薬の費用数千円程度
その他特別なサービスや設備を利用した場合の費用数千円~数万円

「その他費用」には、特別なサービスや設備の利用・個室の選択、または検査に必要な特別な器具の利用が含まれることがあります。このような費用は、医療機関ごとに異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

また、入院中に追加でかかる費用(追加の食事やアメニティ)も「その他費用」に該当することがあります。これらの費用は数千円から数万円程度になる場合があるので、予算に余裕を持って準備するようにしましょう。

費用を抑えるポイント

検査入院の費用を抑えるために、次の3点を押さえておきましょう。

  • 保険証を忘れずに持参する
  • 高額療養費制度の利用を検討する
  • 医療費控除の申告を検討する

保険証を持参することで、医療費の負担を大幅に軽減することができます。高額療養費制度を活用すれば、自己負担額の上限を超えた費用を申請することが可能です。また、医療費控除を申請することで、税金の一部が還付される場合もあります。入院時の領収書は必ず保管しておくことが重要です。

入院期間

不眠症の検査で入院する場合、一般的には1泊~3泊程度の期間が必要です。ただし、この期間は実施される検査内容や患者の状態によって異なります。たとえば、睡眠ポリグラフ検査の場合は1泊の入院が必要です。複数の検査が必要な場合や治療を伴う場合には、さらに長期間の入院が求められることもあります。

不眠症対策の生活習慣

野菜

不眠症を改善するためには、生活習慣の見直しが不可欠です。ここでは、ブルーライトの影響を避ける方法や、アルコールの摂取を控えること、さらに就寝前のリラックス方法について説明します。

  • ブルーライトの影響を避ける
  • アルコールの摂取を控える
  • 就寝前のリラックス方法

これらの生活習慣を取り入れることで、質の良い睡眠を手に入れることができ、不眠症の改善が期待できます。

ブルーライトの影響を避ける

就寝前にはスマホやPCの使用を控え、ブルーライトを避けることで睡眠の質を向上させましょう。ブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を低下させることが知られています。

特に、就寝前にスマホやPCの画面を長時間見ることは、体内時計を乱す原因のひとつです。そのため、就寝前にはスマホ・PCの使用を避けるようにしましょう。

アルコールの摂取を控える

アルコールは一時的に眠気を誘発するものの、実際には睡眠の質を低下させます。アルコールの摂取によって、浅い眠りが増え、夜中に目が覚めやすくなるため、翌日に疲労感が残ることも多くなるでしょう。

不眠症とアルコールの関係については、下記の記事でも詳しく紹介しています。飲酒や寝酒の習慣がある人は、ぜひ参考にしてください。

就寝前のリラックス方法

寝る前にリラックスできるルーティンを取り入れることで、不眠症の改善につながります。例えば次のような方法が有効です。

  • 湯船にゆっくりと浸かる
  • アロマテラピーを楽しむ
  • 軽いストレッチをする
  • 読書をする
  • 音楽を聴く
  • 瞑想をする

これらの方法は、日中のストレスを軽減し、心身をリラックスさせることで、自然な眠りを促進します。

まとめ

不眠症は、日常生活や健康に深刻な影響を与える可能性があり、適切な診断と治療が必要です。また、診断方法としての問診や睡眠ポリグラフ検査、MSLT(睡眠潜時反復検査)についても触れています。

不眠症の診断には、専門的な検査が必要な場合があり、検査入院が推奨されることもあります。入院の際には、必要な持ち物や入院の流れ、シャワーや食事の時間についての準備が重要です。また、検査入院には費用がかかるため、費用の内訳や抑えるポイントも把握しておきましょう。

さらに、不眠症対策には日ごろの生活習慣の見直しが重要です。ブルーライトやアルコールの摂取を控えること、そして就寝前のリラックス方法を実践することで、睡眠の質を向上させることが期待できます。

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